SEAnews 1996-10-29 ArtNo.8174

【シンガポール】日系百貨店の高島屋、大丸、そごうは小売り市況の不振は底打ちし、最悪の時期は終わったとしている。
高島屋は今年初9ヶ月には昨年同期を8％上回る売上を達成、1998年末までの黒字転換に自信を高めている。昨年3340万Ｓドルの損失を計上した同社は、今年一杯目標(年率5％)を上回る8％の成長を維持できると見ている。 1992年以来、売上の下降を見ているリバー・バリー・ロードの大丸シンガポール本店は今年初9ヶ月も5～6％の売上減を記録した。吉田重役(MD)は昨年の損失を明らかにすることを避けたが、一昨年の590万Ｓドルの損失を上回たとしている。目下1万平米の売場面積の半分を改装していることから、今年の損失は一層大きな額にのぼる見通しだ。しかしジャンクション8の大丸支店は今年初9ヶ月に8～10％の売上増を達成、通年では1993年末の開店以来初めて損益無しの分岐点にこぎ着けられる見通しと言う。
そごうは今年3－8月の4フロアーの改装工事(S$1500万)で、今年上半期に30％の売上減を記録、95年2月期の380万Ｓドルの損失に続き、今年も赤字は免れそうにない。特に改装に伴う多額の減価償却引き当て等で赤字の額はさらに孕みそうだ。しかし同社は改装後の9月には昨年同月比20％の売り上げ増を達成、96年10月－97年2月期にも売上／利益の20％増を見込んでいる。この点については大丸も同様で、改装完了に伴い来年は8～10％の売上増(95年比)を期待している。(BT:10/28)