1995-03-11 ArtNo.817
◆<星>首相、開放的地域主義提唱:フォーチュン国際会議
【シンガポール】シンガポールで開催中のフォーチュン誌グローバル・フォーラムで9日講演したゴー・チョクトン首相は、多角的貿易関係を促進する開かれた地域主義の必要を強調するとともに、新たな2極構造が出現する危険性を指摘した。
それによると共産主義の鉄のカーテンが除かれ、世界経済の一体化が進む反面、市場競争の激化から新たな緊張関係が醸成されている。第2次大戦後米国が先頭に立って推進してきた多角的貿易関係は今や地域主義にとって替わられつつある。欧州連合(EU)、北米自由貿易地域(NAFTA)、ASEAN自由貿易地域(AFTA)、アジア太平洋地域経済閣僚会議(APEC)等の各地域組織がもし開放経済体制を擁護しないなら向こう数十年の間に世界は複数の経済ブロックに分断されてしまう。したがって各国は地域主義の枠を乗り越え、段階的に貿易・投資障壁を排除して多角的自由貿易を促進せねばならない。 一方、世界が市場経済を指向する中で企業家精神を有する良好な教育と技術訓練を受けた一群と教育・技術水準の低い一群の経済格差が益々拡大する見通しだ。このため各国は国民の教育・技術水準を高め、社会的団結を強化することにより、対外貿易・投資の拡大に伴う国民の就業機会喪失の不安を除去する必要が有ると言う。(ST,BT,LZ:3/10)
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