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1996-10-28 ArtNo.8163
◆<馬>来年のGDP成長率8%に:大蔵省経済報告
【クアラルンプル】マレーシアの国内総生産(GDP)成長率は昨年の9.5%から今年の8.2%、来年の8%に減速する見通しだ。
マレーシア大蔵省が25日発表した1996/97年経済報告書によれば、こうした成長速度の鈍化は景気過熱を抑制する政府の施策に沿ったものである。同報告書はまた1990年初以来初めて経常収支赤字が昨年の186億9000万Mドルから今年の147億7000万Mドルに下降、来年はさらに115億Mドルに縮小すると予想している。アリス・オスマン副大蔵次官は記者会見の席上「8%の成長率は心地よいもので、第7次マレーシア計画(1996-2000)下に達成が目指される平均成長率でもある」と指摘した。過去8年間に及ぶ8%以上の経済成長で、経常収支の赤字、インフレの高進、労働市場の逼迫が顕在化、政府や投資家の懸念材料とされてきた。来年のGDP成長は製造業により牽引される見通しで、自動化、受注増、認可済み投資プロジェクトの実行等により製造部門は12.5%の成長が見込まれる。サービス、建設部門も、それぞれ8.7%と8.8%の成長が見込まれ、GDP成長の主要な原動力になる見通しだ。また民間投資は情報技術(IT)を中心とした工業投資やサービス部門投資の拡大により1993年以来の下降局面を脱して16.5%増の853億Mドルに達するものと予想されている。今年のインフレ率は昨年の3.4%から3.6%にアップするものの、来年は3.5%に抑制される見通しだ。しかしながら生産性の向上が強調されたにも関わらず、今年初7ヶ月の伸びは3.9%と、7.1%の賃金上昇率を大幅に下回った。クリフォード・ハーバート大蔵次官は「こうした数字は満足行けるものではないが、マレーシアは依然競争力を失っていない」と強調、報告書も「経常収支の改善とインフレ抑制によりマレーシア経済は来年一層その基盤を強化するだろう」と指摘している。報告書はまた金融引き締め政策は来年も維持されるとしている。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:10/25)
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