1996-10-24 ArtNo.8113
◆<星>HDD/データ処理機器/IC輸出成長率3.5%
【シンガポール】シンガポールが輸出する国産電子製品の御三家ディスク・ドライブ(HDD)、データ処理部品/周辺機器、集積回路(IC)の輸出成長率は今年第1四半期の27.5%、第2四半期の12%から第3四半期には僅か3.5%に鈍化した。
これら3品目だけでシンガポールの国産品輸出の38%を占める。9月について見るとHDD輸出は依然として8.4%のプラス成長を維持したものの、データ処理部品/周辺機器はマイナス2%、ICに至っては14.6%の落ち込みを見た。
とは言えHDD業界の受注はここ数週間上昇傾向を見せており、一部のアナリストは景気回復は既に離陸したと評している。前月比で見ればHDD輸出は8月の13億Sドルから9月の14億Sドルに14%、周辺機器は8億2000万Sドルから8億6000万Sドルに5%、ICは同9%と、いずれも上昇に転じ、こうした見方を裏付けている。
しかし別のエコノミストは「HDDの受注増は在庫水準が数ヶ月前の3~4ヶ月分から僅か3~4週間分に下降したのに伴うもの」と述べており、他のアナリストは「生産高の上昇は受注増を期待した見切り発車の嫌いも有り、こうした基調がいつまで続くか定かでない。特に来年は日立、富士通の製造ラインも軌道に乗ることから競争は一層過熱する」と慎重だ。(BT:10/23)
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