SEAnews 1996-10-22 ArtNo.8085

【シンガポール】中国ビジネスを手がけるシンガポール企業家の多くが中国における合弁事業の成果に不満を抱いている。
シンガポール国立大学(NUS)経営学部の講師らが920社に対するアンケート調査結果(167社が回答)を集計したところ、中国ビジネスの利益、成長率、総合の3カテゴリーの評価(5：満点／3：中等／1：最低)では、それぞれ平均2.59、2.84、2.90の採点が下されたが、いずれも中位の満足レベルにも達していない。同調査を指揮したワン・ピーエン女史れば、こうした結果は当地のビジネスマンが中国ビジネスに過度に楽観的で、自身の実力／科学／管理水準にも自信過剰だったことを反映している。とは言えこうしたことはシンガポール企業家に特徴的と言う訳ではなく、台湾における94年1月の対中事業調査では60％の者が2年以内に利益を上げられると回答したが、95年10月にもう一度同じ企業家に対して調査したところ実際に2年以内に利益を上げられたのは40％にとどまった。また中国側パートナーとの間の紛糾に関する調査(1：それほど深刻でない／3：深刻／5：極めて深刻)では、考え方や経営方式に関する紛糾が3.59とハイレベルをマーク、以下目標の相違に伴う紛糾3.23、外国管理職と中国側管理職の摩擦3.13と続いた。またシンガポールの企業家からは、中国側は生産高、就業率、雇用数、営業額、資産規模等に関心を示すが、利益率、長期的成長、ブランドの知名度、再投資等の問題をあまり重視しないと言った意見が聞かれた。こうした姿勢や目標の相違から最も頻繁に発生する紛争は資本支出問題に関わるもので、以下品質問題と予算問題が続いている。(LZ,BT:10/21)