1996-10-19 ArtNo.8057
◆<星>強力な後継者チームの育成が優先課題:首相
【ルクセンブルグ】シンガポールが21世紀に向けて直面する様々な挑戦、例えば過熱する経済競争や複雑化する地域安全問題に立ち向かう最も確実な方策は強力な指導者チームを育成することと言う。
ベネルクス3国の訪問日程を終えたゴー・チョクトン首相が16日当地で随行記者団に語ったところによれば、経済競争は決して急成長するアジア諸国からだけでなく、再編により活力を取り戻した欧州諸国方面からも生じ、また地域開発に伴う新たな安全問題が生じる恐れもある。こうした挑戦は早期に予知し、対策を講じる必要があるが、どうすればこれらの全ての問題に対処することができるかと言う点が鍵となる。回答は優秀なチームに問題の処理を委ねることで、こうした優秀なチームを如何に養成するかがシンガポールの当面の優先課題である。与党人民行動党(PAP)は次期総選挙に22人の新人候補を立てる予定で、仮にこれら候補の中に4~5人の閣僚候補が含まれていれば、理想的である。しかしながら実際は、そうした潜在性を有する候補者は5人に満たない。ゴー氏が1979年にリー・クアンユー当時首相に随行して当地を訪れた時、ゴー氏は38歳、リー上級相は56歳だった。今日ゴー氏は当時のリー氏と同じ56歳だが、随行したテオ・チーヒアン環境開発相兼第2国防相は41歳で、この点からも後継者育成計画が遅延していることが窺え、加速する必要がある。
首相はまた今回の訪問期間中に、欧米多国籍企業のアジア市場開拓やアジア企業の欧米市場進出を支援する国際訓練センターとしてシンガポールを販促すること、また次期選挙後に導入を予定する市長制度に関しては優秀な与党国会議員を市長に任命する中央指名方式を採用する構想をまとめることができたと言う。(ST,BT,LZ:10/18)
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