SEAnews 1996-10-19 ArtNo.8051

【シンガポール】フランスのトムソン・マルチメディアの買収を計画する韓国の大宇電子(DEC:ﾀﾞｴｳｰ･ｴﾚｸﾄﾛﾆｸｽCo Ltd)はトムソンがシンガポールに有する唯一のビデオ・カセット・レコーダー(VCR)工場を閉鎖する計画だ。
ＡＦＸアジア通信によると、ＤＥＣのペ・スンフン会長は、トムソン・マルチメディアの買収を完了後、シンガポールのＶＣＲ工場は閉鎖するのが望ましいとし、競争力を失った工場は閉鎖すべきだと語った。同報道に関してシンガポールのトムソン・マルチメディア・アジア・スポークスマンは、寝耳に水で、ＤＥＣから工場閉鎖に関する連絡は受けていない、と語った。同スポークスマンによると、ペ会長のいうＶＣＲ工場とは東芝とトムソンが合弁でイーシュンに設けたインターナショナル・ビデオ・プロダクツ(IVP)を指しているようだ。またダエウー・エレクトロニクス・シンガポールのヤン・ジェソク重役(MD)は、トムソンの買収に着手したばかりで、現状では何も明確になっていないが、即閉鎖するのではなく、生産転換が図られるのかも知れないと語った。同工場の従業員は2000人で、年間300万台のＶＣＲを製造している。ＡＦＸアジア通信によると、ペ会長は、シンガポール工場のほか、トムソン・マルチメディアの、フランスを除く世界の無力工場を閉鎖することを検討するとしている。ブルームバーグ・ビジネス・ニューズによると、ダエウーはトムソンの年間製造コスト50億米ドル(推定)を10％カットし、世界レベルのテレビ、ＶＣＲメーカーにする考えという。(BT:10/18)