SEAnews 1996-10-18 ArtNo.8037

【シンガポール】米国のディスク・ドライブ(HDD)メカー、ウェスタン・ディジタル・コーポレーション(WDC)は2000年までにシンガポール／マレーシアにおける累積投資を45％増の4億米ドル以上に拡大する。
ＷＤＣがトゥアスに1200万米ドルを投じて建設した新工場の開所式で、チャールス・ハガティー同社会長兼社長(CEO兼務)が語ったところによると、現在シンガポールとマレーシアにおける累積投資は1億7600万米ドルと1億300万米ドルで、今後それぞれ7900万米ドルと4700万米ドルの追加投資が予定されている。床面積10万平方フィートのトゥアス新工場ではワークステーション、ＬＡＮサーバー、マルチ・ユーザー・システム用のＨＤＤが生産され、今月初めからは記憶容量2.1ＧＢ(ｷﾞｶﾞﾊﾞｲﾄ)と4.3ＧＢの最先端のＳＣＳＩ(ｽﾓｰﾙ･ｺﾝﾋﾟｭｰﾀｰ･ｼｽﾃﾑ･ｲﾝﾀｰﾌｪｽ)ＨＤＤの生産も開始された。向こう30日以内に量産体制に入るＳＣＳＩドライブはこれまでのＩＤＥ(ｲﾝﾃｸﾞﾗﾙ･ﾄﾞﾗｲﾌﾞ･ｴﾚｸﾄﾛﾆｸｽ)ドライブに比べ、コンピュータとＨＤＤの間のデータ転送が速い。新工場の累積投資は2000年までに3500万米ドルに拡大される。同社のチャイチー工場ではデスクトップ用ＨＤＤが生産されており、累積投資は1億6000万米ドルに達している。これまで同社のドライブの75％はチャイチー工場で生産され、残りがマレシアで製造されてきたが、近い将来両国の比率は同レベルになる。好需要から同社の供給能力は限界に近づいているが、こうした状況は今期一杯継続する見通しだ。ＨＤＤ業界は昨年第4四半期にも好調を維持したが、それに引き替えＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)業界は深刻な過剰生産に陥った。しかしＰＣ業界は良い教訓を得たものと見られ、今年末に再度過剰在庫問題が生じる恐れはないと言う。(ST,BT,LZ:10/17)