1996-10-16 ArtNo.8011
◆<馬>新年度予算に輸入品依存軽減措置:首相示唆
【クアラルンプル】マハティール首相は14日に催された国産品トレードマーク発表会の席上、「輸入急増が経常赤字の主因になっており、国産品の購入を国民に促す政府の努力が足りなかったようだ」と語り、今月25日に国会に上程される新年度予算案に輸入品の購入を抑制する多数の施策を盛り込むことを示唆した。
マレーシアの経常赤字は昨年の178億Mドル(GNPの8.8%)から今年の140億Mドル(同6%)に縮小すると予測されているが、アナリストの多くは依然として赤字の規模に懸念を抱いている。
クアラルンプル拠点の大手証券会社のエコノミストは、自由貿易に関する世界貿易機関(WTO)の合意もあることから、輸入品に関税をかけるのは難しく、国産品の販促に努力が向けられるのではないかと指摘した。輸入関税はASEAN自由貿易協定(AFTA)の精神にも反することから、アナリストらは、首相の発言は必ずしも輸入規制を意味しないと見ているようだ。
国内製造企業は生産財の多くを輸入に依存しており、この種の輸入が輸入総額の50%を占めることから、上記エコノミストは、国産生産財への転換を促す優遇税制などの措置も新予算案に含まれる可能性があると指摘する。マハティール首相によると、新予算案にはマルチメディア・スーパー・コリドーとラブアン・オフショア金融センターへの投資奨励策などが盛り込まれると言う。(NST,MBT,ST,BT,LZ:10/15)
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