1996-10-11 ArtNo.7949
◆<星>米国半導体市況回復の恩恵は来年以降に
【シンガポール】米国半導体需要の予想以上の回復がシンガポールの電子産業に恩恵を及ぼすのは来年初以降になりそうだ。
INGベアリングのアナリストによれば、米国とシンガポールの市況には伝統的に半年から9ヶ月のタイムラグが有り、当地電子産業が米国の市況回復から直ちに恩恵を受けることは少ない。シンガポールの市況は恐らく来年第2四半期になって初めて回復の兆しを見せるものと予想され、それまでは下降局面が持続するものと見られる。ジェームズ・サッスーンのアナリストもシンガポールにおける受注の拡大は半年後の来年第1四半期と予想した。データクエストのアナリストは米国におけるBBレシオの回復は予想を遥かに上回っており、今年末には1を超えるだろうとしている。
しかしナショナル・セミコンダクター幹部は、BBレシオの回復は主にDramチップの値上がりよるもので、チップの過剰在庫は一掃された訳ではなく、チップが再び値下がりする可能性は小さくないと警鐘した。日本方面の消息筋も世界的に4Mbチップの在庫が滞留しており、こうしたチップが市場に放出されれば、チップは大きな値下げ圧力を受けると語った。6月に6.1%ダウンしたシンガポールの国産非石油製品輸出は、7月に6.3%の上昇に転じたものの、8月には再び6.3%下降、シーソー・ゲームを演じている。(ST,BT,LZ:10/10)
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