SEAnews 1996-10-11 ArtNo.7947

【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場の射出成形会社ショープラ・アジアLtd(SAL)と政府投資会社ＧＩＣの60：40の合弁会社ショープラ・インターナショナル(SI)はブラジル／インドへの工場進出を含む新事業に2800万米ドルを投資する。
ＳＡＬの中川重役(MD)によると、同社は当初アジアに照準を合わせてきたが、ラテン・アメリカに関するＧＩＣの独自の研究を受け、アジア域外に事業を拡張する方針を決めた。同決定はまたマレーシア及びシンガポールにおける電子業況の不振に触発された。マレーシアにおける受注は20％、シンガポールのそれも5－10％の落ち込みを見ており、一部の日系企業はタイ等に業務を移転している。
ブラジルのマナウス・フリー・トレード・ゾーンにおける1200万米ドルの新工場は1997年初の稼働を予定、15年間の免税待遇を認められている。ブラジルへの進出はソニーから持ちかけられたもので、既にソニー、東芝、松下、シャープ、フィリップス、サムスン、ラッキー・ゴルドスターへのサプライの話もつけている。
インドでは外国投資促進局(FIPB)に投資申請を出したところで、初期投資額は1000万米ドルを予定している。1996年末までに認可を得ることを希望しているが、地元の名目的な資本参加を得る必要も生じる可能性が有る。現地企業Onida Savakのニューデリー工場とその射出成形設備を引き取る話がまとまっている。
タイではバンコク北方のバンパインに300万米ドルを投じて主にエアコンのケーシングを手がける第2工場を建設中で、バンパコンの既存工場と合わせてタイにおける製造能力は2倍に拡大する。
ベトナムでは当初500万米ドルを投じて建設されたＴＶケーシング工場に300万米ドルを追加投資し、製造能力を2倍に拡大する。この他花王向けのボトルと、スズキ向けのカウル(換気帽)の生産ラインも設けられる。ベトナム事業は既に利益を計上、タイ事業は来年から黒字転換が見込める。ブラジル事業は2～3年で採算ラインに乗る見通しと言う。(BT,ST,LZ:10/10)