SEAnews 1996-10-10 ArtNo.7936

【シンガポール】シンガポールの政治家リクルート・システムは誇りとするに足る主要な成功例と言う。ゴー・チョクトン首相はベネルクス3国訪問に先だってオランダの日刊紙ＮＲＣヘンデルスブラットのインタビューに応じ、政界後継者の育成を重視するシンガポール政府の姿勢と施策を説明した。
首相によれば、シンガポール政府はリクルート・エージェントの役割を担っており、首相はチーフ・ヘッドハンターでもある。政府は優秀な高校生に毎年奨学金を提供、大学進学者の中の誰が潜在性を有する人材かを理解している。大学卒業後これらの人材が如何なる職場に勤務していようとも、傑出した業績を示すなら、その性格や人生観を観察した上で、政界への出馬を働きかける。シンガポール政府は老中青三代の閣僚により構成されており、閣内には40台の複数の閣僚が存在する。従って向こう数年間に際だって優秀な人材が出現せぬ限り、首相の後継者はこれらの閣僚の中から選ばれる。
首相はまた日本政府の慣行に習い各紙の編集者と頻繁に接触、政府の政策に対する理解を求めていると言う。首相は9日から17日までシンガポールを離れるが、9、10両日はリー・シエンロン副首相が、11－17日の間はトニー・タン副首相が、それぞれ首相代行を務める。(ST,LZ:10/9)