SEAnews 1996-10-09 ArtNo.7917

【シンガポール】シンガポールは公共・民間両部門の複合経済を基礎に今日の経済的成果を実現したが、こうした成果を維持し、一層の成長を続けるためには、環境の変化に適応して、速やかに複合経済体制から脱皮せねばならない。
リー・クアンユー上級相はロンドン・サンデー・タイムズのインタビューに応じ、シンガポール・テレコム(ｼﾝｸﾞﾃﾙ)を例に以上の考えを語った。それによるとシングテルは法定機関として大きな成功を収めたが、米国法定機関の民営化に倣い、競争環境を醸成することがなければ、シングテルは5年か7年で淘汰される外ない。
リー氏はまた第2次大戦における日本を例に西側が中国を孤立させる危険に警鐘を鳴らした。同氏によれば、第2次大戦は帝国主義と保護主義の産物と言う。30年代の大恐慌に際して、各帝国はそれぞれ経済ブロックを組織して自国の権益保護を図り、日本も中国を取り込んだブロック構築を図った。その際、米国は日本がその勢力を拡大するのを阻止するため、対日石油輸出を禁止し、世界大戦を誘引した。国際市場へのアクセスが禁じられなければ、いずれの国も自身の領土保全の余力を製品／サービスや国民生活の改善に傾注し、他国を侵略する必要はない。同様に西側が中国を孤立させれば、中国は武装し、自身のブロック構築を図り、最終的には武力衝突を招来せざるを得ないと言う。(ST,BT,LZ:10/8)