SEAnews 1995-03-08 ArtNo.773

【シンガポール】世界のＨＤＤ(ﾊｰﾄﾞ･ﾃﾞｨｽｸ･ﾄﾞﾗｲﾌﾞ)市場は引き続き価格軟化の圧力を受ける見通しだ。また向こう数年間は3.5インチ・モデルが依然として主流を占め、更に小型のモデルが市場に受け入れられる速度は、かなりゆっくりしたペースになりそうだ。
ＩＤＥＭＡ(ｲﾝﾀｰﾅｼｮﾅﾙ･ﾃﾞｨｽｸ･ﾄﾞﾗｲﾌﾞ･ｲｸｳｨｯﾌﾟﾒﾝﾄ･ｱﾝﾄﾞ･ﾏﾃﾘｱﾙｽﾞ･ｱｿｰｼｴｰｼｮﾝ)が当地で主催したアジア・コンピュータ・ストーリッジ・コンファランスの席上、出席した業界代表者らは世界のＨＤＤ市場の先行きについて以上のような見通しを明らかにした。トレンドフォーカス社幹部によれば、昨年は6800万台のＨＤＤと4600万台のＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)が販売された。今年のＰＣ販売は5400万～6000万台、ＨＤＤはその1.5倍、従って昨年比20.6％増の8200万台に達する見通しだ。またシンガポールは世界のＨＤＤ生産の42％を占めるものと見られる。コンパックのピーター・ナイト上級副社長によるとＨＤＤの生産規模の拡大は多額な追加投資を必要せず、比較的容易な上、主要ＨＤＤメーカーはいずれもシェア縮小を望まないため、価格の軟化は免れない。また新たなソフトウェアーやマルチメディアはいずれも大容量のＨＤＤを必要とするため記憶容量は毎年倍増しており、昨年のＨＤＤの主流は420ＭＢ(ﾒｶﾞﾊﾞｲﾄ)だったが、今年は540～850ＭＢが主流になる見通しだ。クアンタムのビル・ミラー会長によると96年下半期にはウィンドウズ95の登場やペンティアム・チップの普及に加え、マルチメディア対応ＰＣの需要拡大で、ＨＤＤ需要も急増する見通しだ。(ST,BT,LZ:3/7)