1996-09-24 ArtNo.7720
◆<星>アナリスト、今年のGDP成長見通し7.4%に下方修正
【シンガポール】アナリストらはシンガポールの今年の国内総生産(GDP)予想成長率を7.4%に再度下方修正した。
ロンドン拠点のコンセンサス・エコノミクス・インク(CEI)はシンガポールの今年のGDP成長に関する各調査機関の予想を集計した報告書を発表するとともに、シンガポール経済は域内諸国の中で、世界的電子業の不振から最も深刻な衝撃を受けたと評している。同報告書によると、これら機関の平均予測値は、7月の8.5%、8月の7.7%、そして今月の7.4%に下降の一途を辿っている。ペレグリン証券は各社中最大の1.1%ポイント下方修正し、7.2%を予想したが、ナットウェスト・マーケットは8.5%に、0.5%ポイント上方修正している。またゴールデン・サックス、ニッコー・リサーチ、ドイチェ・モルガン・グレンフェル、JMサッスーン等は7~7.8%の成長予測に修正を加えなかった。
しかし上記の各機関の成長予想は、シンガポール経済の健康状態を示すとされる国産非石油製品輸出の深刻な落ち込みが発表される以前になされたものである。貿易開発局(TDB)は先週金曜、8月の国産非石油製品輸出が昨年同月比6.3%縮小したと発表するとともに、こうした落ち込みは、世界的電子製品需要の後退と半導体の過剰供給に伴うものと説明した。
CEIはその報告書の中で、17調査機関の平均的な成長見通しは下降したものの、多くのアナリストは依然として第4四半期には景気が回復、来年は成長が加速すると信じていると述べている。来年のアナリストらの平均成長見通しは7.5%で、8月の調査時と変わっていない。またCEIは第4四半期のGDP成長率を6%と予想している。(ST,BT:9/23)
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