1996-09-17 ArtNo.7633
◆<星>PC業界に再編の波、弱小メーカーは退場も:HP社
【シンガポール】パソコン(PC)及びサーバー市場に業界再編の波が押し寄せており、地場の弱小メーカーは苦境に立たされている。
ヒューレット・パッカード(HP)社のスティーブ・ハスレット地域マーケッティング担当課長によると、ますます多くの顧客がブランド指向を強めており、バイヤーは価格よりも信頼感を重視するようになっている。こうした潮流はIBM、コンパック、ディジタル等に有利な反面、地場の中小メーカーは困難に直面しており、誰がこうした中小メーカーのシェアをより迅速に奪うかが目下の焦点と言う。市場調査会社IDCによれば、PCビジネス2年のHP社は米国コンピューター市場で第2位、アジア太平洋地域PC市場で6位、サーバー市場では2位に浮上している。
ハスレット氏は「PC市場のスローダウンは我々には無縁」と語る。同氏が率いるアジア・パシフィック・パーソナル・インフォメーション・プロダクツ・グループ(PPG)は1996年10月期にアジア太平洋地域では70%、シンガポールに限っては最大100%の売上げ増を予想、来年度も少なくとも70%の成長を目指している。95年10月-96年8月の間のアジア太平洋地域における同グループのPC販売は65%、サーバーは94%の成長を見たが、ノートブックPCは一桁成長にとどまった。シンガポールでは同期にPC販売が95%、サーバーが112.1%、それぞれアップ、ノートブックは横這いだった。特に中国市場の売上げは90%アップ、PCとサーバーの売上げでPPGはトップに立った。PPGの営業額に占める中国の比率は40%、東南アジアは20%に達する。来年同社はローエンド・サーバー市場の開拓に力を入れるとともに、インテル・ベースのハイエンド・サーバーもその製品に加える。
コンパック、ディジタル、IBMそしてHPにとっての主戦場は企業市場で、同市場の勝者が業界全体をリードすることになる。こうした動向の鍵はウィンドウズNTの普及で、HP社はユニックス製品と平行してインテル・ベースのサーバー/PCを販売していく。同社がこれまでに築いたユニックス・システムの顧客ベースはNT互換インテル製品の潜在市場にもなる。向こう5~10年はNTがユニックスに取って代わるようなことはなく、特に向こう5年間の変化はそれほど大きくないものと見られる。しかし5年後以降は極めて重要な変化の時期を迎える見通しと言う。(BT:9/16)
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