SEAnews 1996-09-13 ArtNo.7592

【クアラルンプル】複合企業レノンBhd(50%)、自動車のディバーシファイド・リソーシズBhd(DRB:30%)、不動産開発のボルトン・プロパティーズBhd(20%)から成るコンソーシアムはマラヤ鉄道経営会社クレタピ・タナ・ムラユBhd(KTM)及びその資産管理会社レールウェイ・アセッツ・コーポレーション(RAC)の民営化案を政府に提出した。
ＤＲＢ及びボルトン両社が10日発表したところによれば、総理府経済計画局(EPU)は既に原則的に民営化案を認可しており、コンソーシアムは近く詳細案を同局に提出する。マレーシア重工業公社(HICOM)及び国産車製造元プロトンの支配権益を買収したヤハヤ・アハマド氏に率いられるＤＲＢは、直接、また傘下のＨｉｃｏｍ、マスターキャリッジ・グループを通じて自動車産業に深く関与している。同社はその声明の中で、ＫＴＭＢ及びＲＡＣの民営化に参与することにより総合的な運輸サービス・プロバイダーになることができるとしている。不動産開発の専門会社ボルトンは既にＫＴＭと合弁でクアラルンプル市内ブキ・トゥンクの再開発等を手がけており、ＫＴＭＢ／ＲＡＣがマレーシア及びシンガポールに所有する広大な土地／不動産の開発にそのノーハウを生かすことができる。他方、中央政界に太い人脈を有するとされるブミプトラ・ビジネスマン、ハリム・サアド氏に率いられるレノンはインフラ開発を中核とするコングロマリットで、通信事業や銀行業務も手がけている。ＫＴＭＢの民営化を引き受けるものは莫大な負債を背負い込むことになるが、全国各地に所有する不動産の開発潜在性はこれを遥かに上回るものと予想されている。ＨＬＧ証券が11日発表した報告書はＫＴＭＢの資産総額を20億Ｍドルと見積もっているが、アナリストらはマレーシア政府のプライス・タグはこれを遥かに下回るものと予想している。ＨＬＧ証券によるとＫＴＭＢの所有地は1万2565ｈａで、マレーシア政府はその価値を10億Ｍドルと評価している。ＫＴＭＢがシンガポールに所有する土地に関しては1990年にその再開発に関する協定が両国政府間で調印されたものの、マレーシア政府は昨年になって見直しを加える方針を明らかにした。しかし民営化に伴い同再開発計画も加速される見通しと言う。(NST,BT:9/12)