1996-09-07 ArtNo.7521
◆<泰>業界、石油化学品の関税引き下げ案に低調な反応
【バンコク】石油化学原料の選択的な関税引き下げを通じて、タイ製品の輸出競争力を強化すると言う大蔵省の提案に国内業界は、低調な反応を見せている。
業界関係者らの意見は、関税引き下げの短期的な効果は望めないと言う点で一致しているようだ。代表的な意見を拾って見ると、主要輸出品の原料はこれ以前から関税が免除されているため、新措置による輸出刺激効果は望めない。新措置は恒久的なものではなく、既得権を有する者のみが恩恵を受ける。原料コストが総コストの70-80%を占めるポリエステル業界だけはPTA(高純度テレフタル酸)の輸入関税引き下げで恩恵を受けそうだが、同業界は製品を輸出していないため、ポリエステル製造業者がその恩恵を下流部門に還元した場合にのみタイ製品の輸出競争力が強化される。同じことはエチレンやポリエチレンを原料として使用する化学業界にも言え、総じて政府の措置は下流部門に不公平と言う。(BD:9/6)
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