1995-03-06 ArtNo.745
◆<星>TDB、今年は貿易/輸出の伸び減速予想
【シンガポール】今年1月の輸出は前年同月比実質(90年価格:以下同様)22.2%の適度な伸びを見たものの、国産品輸出を担う製造業の景気指標となる輸入はわずか4.4%増と大幅に減速した。しかし、同月の国産非石油製品輸出は25%の好調な伸びを記録している。
貿易開発局(TDB)によると、今年も引き続き貿易の伸びが期待できるものの、年間を通じて減速傾向が続く可能性がある。バリー・デスカーTDB局長は先に、電子製品の需要横ばいを理由に今年の往復貿易の伸びを昨年の18%より低い13~15%と予測している。 一方、昨年はマレーシアが米国を追い越し、シンガポールの最大貿易相手国になった。昨年通年の貿易総額に占める比率はマレーシアが18%、米国が17%。マレーシアへの昨年の国産品輸出は月間およそ15億Sドルで、国産非石油製品輸出は前年の月間5~6億Sドルから、10億Sドル超に拡大した。TDBは、こうした大幅な輸出増について、シンガポールからマレーシアへの工場移転とマレーシアの下請基地化で両国製造業の連携が緊密化しつつあること、新たな貿易申告手続きとGST導入でより正確な数字がつかめるようになったことなどが原因と説明している。 昨年の貿易数字は電子部門への依存がさらに進行していることを示しており、国産品輸出に占める電子・電気製品の比率は83年の25%から昨年の62.2%に拡大した。しかしTDBは、電子部門への依存は世界的な傾向で、懸念には及ばないとしている。(BT,ST,LZ:3/3)
|
|