1996-08-29 ArtNo.7394
◆<星>投資家は対中ビジネスを過度に楽観:サーベイ
【シンガポール】シンガポールの投資家は一般に中国ビジネスに過度に楽観的で、また中小企業は中国ベンチャーの金融面のニーズを過小評価している。
シンガポール国立大学(NUS)経営学部のチームが今年初に行ったアンケート調査(920社中170社が回答)によると、シンガポール企業が中国ビジネスで陥りやすい落とし穴は、第1に過度な楽観主義、第2は中国人の話や約束を鵜呑みにする軽率さと言う。過度な楽観は不可避的にビジネスの収益や成長に対する落胆や失望をもたらす。
調査を行ったワン・ピエン女史によると、中小企業は金融面で困難に陥りやすく、また債権の回収にも苦労している。中小企業の財政基盤は強力とは言えず、人手もない。小企業がシンガポールと中国のビジネスを掛け持ちするのは困難で、台湾の某経営者は中国ビジネスは台湾における5倍のエネルギーを必要とすると指摘している。このため小企業の経営者はシンガポールと中国のいずれかに専心し、もしシンガポールのビジネスを託する者がないなら中国ビジネスは思いとどまる必要がある。また最初から上海や北京のような大都市に直接進出することを避け、イフラの整った大都市周辺地区に小規模な拠点を設け、徐々に事業を拡張するのが賢明と言う。中国に進出したシンガポール企業の半数は現地合弁方式を採用しているが、完全出資子会社を設ける方式が最も成功しており、後者が今後主流になるものと見られる。またシンガポール企業の中国ビジネスの64%が創設後3年未満で、また63%の投資額は1000万Sドル未満と言う。(BT:8/28)
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