SEAnews 1996-08-29 ArtNo.7391

【シンガポール】地場コンピューター会社のＩＰＣコープは96年6月期の半期決算で昨年同期(S$3540万)比85％減の530万Ｓドルの純益を計上した。
ＩＰＣが27日発表したところによれば、同期の売り上げは11.4％減の7億3840万Ｓドル、営業利益は88.1％減の480万Ｓドルにとどまり、ボトム・ライン利益はフランス企業グループ・ブル持ち株の売却益1930万Ｓドルを加え2460万Ｓドルとなった。1株益も3.54セントから0.53セントに下降した。パトリック・ギャム会長は「誰もが第4四半期に奇跡が生じることを期待しているが、昨年のような状況が再現するとは思わない」とし、上半期に経験した沈滞が下半期まで持続するとの見通しを示した。同氏は更に「現状では高望みするより、ゼロ・レベル以下に落ち込まぬ慎重な漸進策を採るのが賢明」と補足した。ＩＰＣはこうした困難な時期を乗り切るため、ボリュームよりもマージンの維持を図り、冒険的な製品の販促は行わない。また各ステップごとに在庫調整を行っているため、抹消問題は存在せず、全ては販売マージンに反映されていると言う。しかしアナリストらは「現状で在庫抹消の必要がないのは歓迎すべきことだが、将来もその必要がないとは言い切れない」、「在庫抹消を先に繰り延べただけかもしれない」と等と指摘、また他人資本の比率が0.5倍から0.7倍に拡大したことも懸念材料と評している。ギャム氏は他人資本比率の拡大は、問題とするに当たらないとしている。(ST,BT,LZ:8/28)