SEAnews 1996-08-27 ArtNo.7361

【シンガポール】予想される第4四半期のＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)需要の回復は期待したほど強力なものにはならない可能性がある。
エイサー・コンピューター・インターナショナル(ACI)のウィリアム・ルー社長は先週以上の懸念を表明した。同氏によれば、昨年はウィンドウズ95、ペンティアム、マルチメディアと、需要を牽引する目玉商品が数多く存在したが、今年は消費者の購買意欲を喚起するような商品が存在しない。大幅な値下がりにより、新たなバイヤーでも創出されない限り、第4四半期の回復は期待はずれに終わる可能性がある。昨年25％の成長を見たＰＣ市場の成長は、今年上半期はミッドティーンにとどまったが、依然として二桁成長を保っており、他の産業を上回っている。ＰＣ市場の成長鈍化は、在庫水準の上昇(完成品/原料共)、部品の持続的値下がりを招き、ＰＣメーカーは在庫抹消の必要とマージン縮小に直面している。こうした中で予想される憂慮すべきシナリオは、クローン・メーカーが容易に手に入る安価な部品を利用して低価格のＰＣを乱造、大手メーカーを一層窮地に立たせることである。とは言え需要が回復し、価格が上昇すれば、クローン・メーカーは投降する他ない。
エイサーはペンティアムプロ・ベースのワークステーション／サーバー、ロー・ノイズのコンシュマーＰＣ、初心者向けペンティアムＰＣ、ノートブックＰＣの販促に力を入れ、またエイサー・ベーシックのような製品により新領域の開拓を図ると言う。(BT:8/26)