1996-08-26 ArtNo.7346
◆<星>来年は7-8%の成長が可能:アナリスト--今年は?!
【シンガポール】シンガポール経済協会(ESS)が23日催したパネル・ディスカッションに出席したエコノミスト4人は、シンガポール経済が来年比較的安定を維持し、7-8%の成長が望めるとの点で意見の一致を見たが、電子業況の不振に伴う現在の低迷がいつまで続くかに関してはハッキリした見通しを示さなかった。
J.P.モルガンのBernhard Eschweilerアジア太平洋地域経済調査部主任は、市況回復の兆しは見られぬため、第3四半期には不良在庫や資産を抹消する必要があるとし、仮に第4四半期に市況が回復したにしても今年通年の経済成長率はせいぜい6%どまりと指摘した。とは言え、歓迎すべき小休止で、何ら警戒する必要はなく、電子産業の世界的な過剰在庫問題は2四半期の間に解消し、来年シンガポール経済は7%の成長を回復すると言う。
クロスビー証券のManu Bhaskaran調査主任は、今年第3四半期の成長率は1986年以来最低の4.3%に下降するが、第4四半期には6.8%の成長率を回復、通年では7.3%の成長が見込めると語った。同氏によれば、短期的に様々なネガティブなニュースが報じられる見通しだが、長期的懸念材料は他国との競争力の差が縮小すること。また、1997/98年にはマレーシア経済が短期的だが、極めて急激な落ち込みを見、その影響がシンガポールに波及する恐れがあると言う。
一方、SBCワーバーグのAdam Le Mesurier主任はシンガポール・ドルの値上がり圧力が高まる恐れを指摘、金利は低レベルを維持すると語った。(ST,BT,LZ:8/24)
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