1996-08-21 ArtNo.7285
◆<星>政府は電子業況を注視:リー副首相
【シンガポール】リー・シエンロン副首相は19日催された電子/電気産業労組第5回大会(3年ごとに実施)の開幕式の席上、世界的な電子産業の生産削減が行われるならシンガポールは最初にその打撃を受けると指摘するとともに、シンガポール政府は電子産業市況を注意深く見守っていると語った。
それによると、電子産業は数年にわたるブームの後、景気後退期を迎えているが、シンガポールは既に1985年にこうしたことを経験している。電子産業不況はシンガポールに限った問題ではなく、世界的な現象だが、シンガポールの賃金や地代は他国を上回るため、如何なる生産削減もシンガポールに最初に波及する。加えてシンガポールの電子産業は厳しい競争に直面しており、シンガポールは注意深く状況を観察する必要がある。
世界銀行の1996年度報告書によれば、生活コスト等の要因も配慮したシンガポールの1人当たり国民総生産(GNP)は、日本、カナダ等を追い越し、ルクセンブルグ、米国、クウェート、スイス、香港に次いで6位にランクされたが、投資誘致面では益々熾烈な国際競争に直面、これまで中核としてきたディスク・ドライブ・ビジネスさえも隣国のマレーシアに奪われつつある。しかしこうしたことはシンガポールに限った問題ではなく、例えば中国がその官僚主義的姿勢を改めるなら域内の多くの国にとって大きな脅威になると言う。(ST,BT,LZ:8/20)
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