1996-08-20 ArtNo.7273
◆<星>ベクトン・ディキンソン、技術革新センター開設
【シンガポール】米国ヘルスケアー企業ベクトン・ディキンソンは、シンガポールに新設した技術革新センターに2年内に約560万Sドルを投じる計画で、昨日(8/19)経済開発局(EDB)の発明開発計画下に290万Sドルを補助された。
Eugenio Naschold社長(アジア太平洋地域担当)によると、センターはアジア太平洋地域におけるグループの技術革新能力を培い、製造工程の設計/開発を手がける。今年4月にオープンした同センターはシンガポール拠点のテクノロジー・ハブとして急成長するアジア太平洋市場に支援を提供する。当面は中国市場向け特殊カテーテルの製造工程の開発、製造工程の欠陥除去、製造実験等が当地で手がけられる。同研究の完成後、実際の製造ラインが中国の蘇州に設けられる。先月スタートした2番目のプロジェクトではプレフィリング・インジェクション装置の製造工程が設計・開発され、完成後は当地における製造活動に利用される。10月にスタートする予定の第3のプロジェクトは皮下注射に関わるもの。同社が1989年にタイに工場を設けた当時は低コスト/大量生産を志向したが、営業コストの上昇に伴い今では製造事業そのものよりも、研究開発や付加価値活動に重点が置かれるようになった。同社は製造業務から技術力の応用への過渡期を迎えている。とは言え製造業務をスケールダウンする計画はなく、医療/診断部門のアジア太平洋地域本部が存在するシンガポールでは、成長速度は鈍化するものの、引き続き高付加価値製品の製造が手がけられる。シンガポール事務所は製造業務の他、金融、マーケッティング、セールス業務も手がけている。昨年の世界売り上げは27億米ドルを記録したと言う。(ST:8/19)
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