1996-08-17 ArtNo.7239
◆<星>ST/BT両紙、明暗分かつ電子業リポート掲載
【シンガポール】シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズ(ST)とビジネス・タイムズ(BT)は15日、共に国内電子業況に関する業界アナリストの予測を紹介したが、ST紙がシンガポールの電子産業は従来同様ディスク・ドライブ(HDD)と半導体部門に牽引され、通年で10~14%の二桁成長を維持するというアナリストらの平均的見通しを報じたのに対して、BT紙は今年下半期の電子業成長率はマイナスか一桁成長にとどまるとのアナリストらの見通しを掲載している。
ST紙によると、ある業界観測筋は、HDDなどいくつかの部門の成長は依然プラスで、他の部門ではマイナスになっているが、全体としては良好な成長を遂げつつあると述べている。HDDやCD-ROMなどを製造するデータ記憶装置業界は目下、在庫問題の解決に努力しているが、年末までに状況は改善する見通しだ。半導体部門の前途は米国における半導体BBレシオの悪化にもかかわらず依然上向きで、チップの世界的だぶつきによってシンガポールの半導体投資が鈍ることはないと言う。アナリストらは、半導体市場の周期的な落ち込みは一時的なもので、70年代半ばや80年代半ばのようなマイナス20%の水準に落ち込まない限り問題ないとしている。
一方、BT紙が今年通年のシンガポールの電子業成長についてアナリストらの予測を集計したところ5~15%の範囲との見通しが示された。ほとんどのアナリストは今日の電子業の不振が半導体及びHDD部門の在庫問題に起因していると見ており、またこれらのアナリストは、在庫水準は依然として調整段階にあり、回復の兆しは生じていない見ている。(ST,BT:8/16)
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