1996-08-16 ArtNo.7226
◆<星>企業、ミニチュア・セメント製造装置の市場開拓
【シンガポール】ブルー・パシフィック・コミュニケーションズ・ネットワークPte Ltd(BPCN)はシンガポールを拠点にドイツ製ミニチュア・セメント・プラントのアジア市場開拓に乗り出した。
BPCNのジョン・コンパ重役(CEO)によると、年産100万~200万トンの一般セメント工場の建設コストは1億6000万~2億米ドルにのぼるが、Gerg Gruberにより開発されたミニチュア・プラントの建設コストは1000万米ドルで、年間3万2000トンのセメントを製造できる。またサイズも2500平米と、通常のものに比べかなり小さい。こうしたことは、従来とは異なるエア・ヒーティング技術を応用することにより、実現されたものである。これまでセメント工場のミニチュア化が成功しなかった理由は、単純に大型セメント工場の設計をコピーし、その小型化を図ろうとしたためで、原料を過熱し、セメントに加工するオーブンはそのまま縮小しても、大型オーブンと同じコストがかかり、生産コストも引き下げられない。しかしGerg Gruberの新技術を用いると、オーブンを小型化し、その製造コストを低きさげられるだけでなく、廃棄物の再生利用により生産効率や燃料効率を高め、廃棄物の量も縮小できる。またプラントのコンポーネットは最大重量のものでもヘリコプターで移動可能なため、インフラの未整備な地域でも、原料生産地や建設現場に隣接して容易にセメント工場を設けることができる。加えて世界銀行の融資条件も満たしているため、途上国の財政負担も軽減できる。BCPNは向こう10年間にアジア地域で少なくとも60~70プラント、全世界では200~300プラントを販売できるものと予想している。公式な売出しは9月からだが、同社は既に注文に応じていると言う。(BT:8/15)
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