SEAnews 1996-08-06 ArtNo.7111

【クアラルンプル】今週発表されるものと見られる5月の貿易収支を巡り、証券市場には4月の2億5400万Ｍドルの赤字に続き2億～10億Ｍドルの赤字が報告される(ﾌﾞﾙｰﾑﾊﾞｰｸﾞ調査)との予想がなされているが、某観測筋は電子業況の不振に伴う資本財輸入の縮小から2億4000万Ｍドルの黒字が報告されるとの予測を行っている。
年初4カ月の累積赤字は16億2000万Ｍドルだが、予想される5月の2億4000万Ｍドルの黒字で累積赤字は13億8000万Ｍドルに縮小、通年の赤字も政府の予測する72億Ｍドルの範囲に収まる見通しだ。こうした貿易収支の改善は証券市場を刺激するものと見られるが、先週土曜に発生した全国的な停電事件が陰を引きそうだ。既にゲンティン、リゾート・ワールド、メイバンク等のブルー・チップが過去1週間大幅な値下がりを見たが、アンワル副首相は今回の大停電を機に第2送電網を構築する可能性を示唆しており、このことは電力会社トゥナガ・ナシオナルBhdの株価に大きな衝撃を与えるものと見られる。(BT:8/5)