1996-08-03 ArtNo.7080
◆<馬>首相、マルチメディア・ハブの各種優遇措置披露
【クアラルンプル】マハティール首相は1日、世界のマルチメディア・メジャーを、計画中のマルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)に誘致する一連の優遇措置を披露した。
首相は“マルチメディア96アジア”の開幕式の席上、野心的なMSCプロジェクトの全貌を明らかにした。それによると750平方キロのグリーンフィールドは、マルチメディア企業の開発/製造拠点となるだけでなく、政府の新たな役割、新たなサイバー法規/保証、新技術やアプリケーションの実験場となる。行政都市プトラジャヤの西部には15万人の就業者と10万人以上の住民を包含するITシティーが設けられ、スマート・オフィス/スマート・ホームが開発される。2000年には7つの主要領域のアプリケーションがウェブ・サイトとMSC内のマレーシア企業により開発されるはずで、マルチパーパス・スマート・カードはその1つ。マレーシアは以上の目標を実現するために世界中からタレントを誘致する必要があるが、インビテーションに応じた企業はこれまで同様、大きな報酬を、最短期間に手に入れられるはずと言う。来年中にMSCへの進出を決めた企業に適応される奨励措置には、5-10年の法人税免除、インフラストラクチャー企業への特恵待遇、向こう10年間の外国人タレントの無条件/無制限受け入れ許可、無制限な外国人所有権の承認等が含まれる。MSCテナントにはサイバー法規や知的所有権法による保証や保護が提供される。
会議を主宰したアンワル・イブラヒム副首相によると、必要が有れば、こうした奨励措置や法規に直ちに調整が加えられる。これはマレーシアが決して他に後れをとることを望まぬ領域のためと言う。
同プロジェクトのもう1つの重要な鍵は資金で、マハティール首相は当初必要な資金は20億米ドル前後と指摘したが、パネリストの1人は総投資額は100億米ドル以上になると予想。これに対してコンサルタントを務める大前研一氏は一部のプロジェクトはセルフ・ファイナンスが可能と語った。
マハティール首相は、MSCとシンガポール等が進める同様なプロジェクトの相違に関して、MSCにおけるコストは安く、またシンガポールとほぼ同面積のグリーンフィールドが準備されていると語った。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:8/2)
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