1995-03-01 ArtNo.705
◆<馬>KLオフィス市場、供給増と大規模郊外移転で打撃も
【クアラルンプル】少なからぬ企業が公害や交通渋滞、営業コストの上昇を嫌って郊外に事務所を移転する中で、昨年は19万5000平米の純賃貸スペースを有するオフィス・ビル6棟が完成した。これに伴いクアラルンプルの通年のオフィス・スペース新規供給量は31万5000平米に達した。
コリアーズ・ジャーディンのアジア・パシフィック・プロパティー・トレンド最新号によれば、ゴールデン・トライアングル周辺地域のオフィス未入居率は昨年初の10%から15%にアップした。市内のオフィス・スペースは288万平米前後だが、今年は26万平米、来年はペトロナス・ツイン・タワーを含め74万平米の新規供給が見込まれる。これに対して新規需要は昨年が14万8000平米、今年は15万7000平米と見込まれる。加えて、97年にはクアラルンプル南方50キロのプラン・ブサールに新行政府が完成し、多くの政府部門が移転することから46万4000平米のスペースが空になる見通しだ。 今年上半期のオフィス年間賃貸料は平米当たり259米ドルのレベルと予想されるが、持続的な値下げ圧力を受ける見通しで、取り分けゴールデン・トライアングル地区物件の受ける圧力が強まるものと見られる。しかしバンサル、ダマンサラ・ハイツ、プタリン・ジャヤ等の外縁地区の優良物件は比較的この種の圧力を回避できそうだ。向こう12カ月間にオフィス不動産の資産価値は若干低下し、投資収益率も最大3.5%前後になりそうだ。(BT:2/28)
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