SEAnews 1996-07-31 ArtNo.7033

【シンガポール】ティン・ペックキイン氏のグループは、手に余る規模の大きさや経験の不足から、バクン・ダム・プロジェクトの更に多くの工事を下請け発注するものと見られる。
ケイヒアン・ジェームズ・ケーペルの“バクン・ハイドロ・エレクトリック・パワー”と題する報告書によれば、プロジェクトの45％に相当する61億Ｍドルの工事はマレーシア企業に発注され、ＡＢＢ－ＣＢＰＯコンソーシアムのメンバー、ティン氏のグループ企業、サラワク拠点の企業が受注する可能性が大きい。最有力候補には、Ｅｋｒａｎ、パシフィック・ケミカル、ウェンブリー・インダストリーズ、ＰＷＥインダストリーズ、ホックセンリー、ＫＢＢエンジニアリング、セメント・マニュファクチャラーズ・サラワク、Ｌ＆Ｍコープ、リーダー・ユニバーサルが挙げられる。プロジェクトは、11億Ｍドルの輸入機材、75億Ｍドルの送電線工事、44億Ｍドルの土木・建設工事、60億Ｍドルのその他の各種プロジェクトから成る。
水力タービン、ターボ・ジェネレーター等の機材の納入は大部分ＡＢＢ－ＣＢＰＯコンソーシアムのアセア・ブラウン・ボベリが手掛けるものと見られ、やはり同コンソーシアム・メンバーのＦＣＷホールディングズはケーブル供給で8億Ｍドルの収入増が見込める。ダム建設現場とサラワク州南西部のコーナーを結ぶ645キロの送電ケーブルの敷設はティン氏のグループ企業により進められる。パシフィック・ケミカルズ、ＦＣＷホールディングズ、ライサット・ガルブン・スチール、ＭＥＳＢは送電線／鉄塔、その他の鉄鋼構造物の製造／供給／敷設工事を引き受ける。ＦＣＷホールディングズは650キロの海底ケーブルの供給も引き受けるものと見られる。12億Ｍドルの海底ケーブル敷設とケーブル敷設船の納入契約はＰＷＥが受注している。ＣＢＰＯ／ヒュンダイは22億Ｍドルのダム工事を手掛け、ホックセンリー及びライシンは工事現場の障害物の除去／地盤基礎工事／整地等の土木契約を獲得する可能性が大きい。また1億5000万Ｍドル相当のダム基層の防水工事はＬ＆Ｍコープに、組立／溶接工事はティン氏傘下のウェンブリー・インダストリーズに、それぞれ発注されそうだ。ＫＫＢエンジニアリングを初めとする鉄鋼構造物関連エンジニアリング／溶接／組立／敷設専門会社が他の補助的工事を請け負うものと見られる。採石場の経営と砕石の供給はティン氏グループ企業に発注済みで、セメント／コンクリートの供給契約はセメント・マニュファクチャリング・サラワクが受注するものと見られる。2億Ｍドルの鋼材供給はライオン・グループとリーダー・スチールに発注されている。(STAR:7/30)