1996-07-27 ArtNo.6983
◆<星>アムコル、資金欠乏で管財人の管理下に
【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場の不動産開発/電子製品流通会社のアムコル・ホールディングズは、特別監査人プライス・ウォーターハウス(PW)の調査の結果、深刻な資金欠乏状況にあることが判明、主要株主の新資金注入案も取締役会の承認を得られなかったことから、25日管財人の管理下に置かれた。
PW社の報告によれば、アムコルは最大3億8650万Sドルの資産と投資を抹消する必要が有り、純有形資産は僅か350万Sドル(1株当たり1Sセント)となる。このため1億Sドルの現金を緊急注入した上、別途借入金と社債償還をカバーするために4億5000万Sドルを準備する必要があると言う。同報告を受け、取締役会は大株主のヘンリー・プリバディ/スカムト・シアの両氏に新株の入札購入を通じて2億1300万Sドルを注入、落札者がアムコルを支配下に置くよう提案した。しかし、両氏の入札は入札条件に沿っていなかっただけでなく、様々な条件が付けられていたため、取締役会と債権銀行3行はその受け取りを見合わせるとともに、債権者、株主、社員の利益保護のためPWのニッキー・タン、デボラ・オン、ヨー・オンジンの3氏を司法管財人に指名した。取締役会はプリバディ/スカムト両氏の入札を臨時総会にかけることには協力するが、株主に薦めることはできないとしている。 一方、PWは調査の過程で、アムコルが同社に関係する複数の個人に疑わしい支払いを行っており、モーリシャスのリゾート/住宅開発にも不審な点が存在することを突き止めたと言う。(ST,BT,LZ:7/26)
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