1996-07-24 ArtNo.6935
◆<星>アナリスト、経済成長見通しを平均0.5%下方修正
【シンガポール】地元エコノミストらは6月の国産非石油製品輸出が前年同月比で6.1%減(名目ベース)と、過去3年半以来初のマイナス成長を記録したことから、今年のシンガポールの国内総生産(GDP)成長予測を当初の8.3%から7.8%に0.5%ポイント下方修正した。
地元紙が証券会社など研究機関11の予測値を集計したところ、以上の平均値が得られたが、7.8%の成長予測は通産省が5月に発表した7.5~8.5%の予測値の範囲内に依然収まっている。国産非石油製品輸出は5月には8.9%、4月には14%のプラス成長を見ていた。
メリル・リンチの上級エコノミスト、タン・ミンラン氏は、下方修正してもまだ通産省予測の範囲内にあり、6月の貿易統計に端を発した経済の先行きに対する懸念はやや行きすぎの感があると指摘した。しかし他のアナリストらは電子部門の減速は否定できないと指摘する。
HGアジアのエコノミスト、ソン・センウン氏によると、ディスク・ドライブ輸出は1~5月には前年同月比で平均34%の伸びを見ていたが、6月には8.5%に、過去2年来初の一桁成長にとどまった。同氏によると、ディスク・ドライブは国産品輸出総額の20%を占め、プリント基板と半導体を加えると37%に達する。
このほか、過去数カ月の証券取引の出来高や銀行貸出の低迷など金融サービス部門の減速もGDP成長予測を下方修正した理由として指摘された。外資系証券会社のある上級アナリストは、経済の減速は少なくとも6カ月は続き、下半期には低調な輸出成長が予想されるとコメントしている。(ST,BT:7/23)
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