1996-07-19 ArtNo.6875
◆<星>HDD業況不振で電子産業の15%成長達成も困難に
【シンガポール】多くのアナリストは、ディスク・ドライブ(HDD)部門の最近の業況不振から、今年の電子産業成長率を15%と予想する政府見通しは、非現実的で、12-13%が妥当な線と見ている。とは言え一部のアナリストは第4四半期に顕著に需要が回復すれば、15%の成長も依然可能としている。
アナリストらのこうした見方は、経済開発局(EDB)が最初に15%の成長見通しを発表した昨年12月当時と好対照を成しており、当時アナリストらは、政府の見通しは控え目と評していた。HDD部門は昨年の582億Sドルの電子産業生産の23%と、最大のシェアを占めたが、業況の下降局面を迎えている。
シーゲットの6月28日締め四半期純益は11%減の1億100万米ドル、売上は6000万米ドル減の20億1000万米ドルだった。同社は不振の原因としてポータブル・コンピューター用HDDの売上下降とデスク・トップPC(パソコン)市場の軟化を指摘している。同社は1997年第1四半期にはポータブル・コンピューター用HDDの需要回復を予想しているものの、デスクトップ市場は依然低調に推移するものと見ている。
向こう数週間には他のHDDメーカーもシーゲートと同様不振な業績を発表するものと予想される。多くのHDDメカーは最大15%の生産削減行っており、シーゲートは50万台、マクスターとウェスタン・ディジタルは向こう3カ月間に各100万台と30万台の削減を行うもようだ。
メリルリンチのアナリストはHDDメーカーは在庫問題を抱えているが、同問題は第3四半期末までに解決すると見ている。また別のアナリストは仮に第4四半期にHDD市況がスランプを抜け出すなら、電子業全体の業況も回復、第1四半期の24.5%の成長を配慮すれば、通年の成長率は15%のレベルに達しうるとしている。(ST:7/18)
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