1996-07-17 ArtNo.6858
◆<泰>サハウィリア株価続落、国内鉄鋼業の困難象徴?
【バンコク】サハウィリア・スチール・インダストリー(SSI)の株価は15日、12.75バーツで引け、95年2月6日に記録された71バーツを82.04%下回った。同期間にタイ証取株価指数は10.70%下降したにとどまり、SSI株価の凋落はタイ鉄鋼業界の窮状を象徴している。
キャピタル・ノムラ証券のアナリスト、エリック・ウチダ氏によれば、輸入原料に依存するタイ鉄鋼業界の製品は中国や前ソ連邦諸国からの輸入品に対して価格競争力がない。熱延コイルを製造しているSSIは95年に1億8900万バーツ、96年は第1四半期だけで6億900万バーツの純損失を計上した。既存の企業が利益を上げられないのに関わらず、さらに6社が投資局に新規鉄鋼プロジェクトの認可申請を準備しており、この内3社はSSI同様ホット・コイルの製造を計画している。またSSI自身も生産設備の拡張を予定している。HGアジア・インベストメント・リサーチのアナリストによれば、世界の鉄鋼価格は昨年第3四半期のトン当たり450米ドルから280米ドルに下降している。SSIは操業率を50%に落としているにも関わらず、製品在庫は総資産の27%に達しており、適正水準の10~15%を大幅に上回っていると言う。(BD:7/16)
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