SEAnews 1996-07-12 ArtNo.6787

【シンガポール】クリエイティブ・テクノロジーは10日、第4四半期に再度2000万米ドルの在庫抹消を行うとともにＣＤ－ＲＯＭドライブ製造事業からの撤収に1000万米ドルを引き当てると発表、アナリストらを唖然とさせた。
クリエイティブの発表によれば、2000万米ドルの在庫抹消はハイエンド8倍速ＣＤ－ＲＯＭドライブ及び同社の目玉商品ＶＬ－Ｂｕｓ3Ｄグラフィックス・アクセラレーターの値下がりに伴うものと言う。一方、この日韓国のサムスン・エレクトロニクスは、12倍速の次世代ＣＤ－ＲＯＭドライブ、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、その他のオプティカル製品の開発／製造／販売面でクリエイティブと協力することで合意に達したと発表した。米国で電話インタビューに応じたクリエイティブのシム・ウォンフー会長によると、同社は今後ＣＤ－ＲＯＭドライブの製造から手を引き、技術／ノーハウ／マーケット・チャンネルを提供する。一層の在庫抹消は有り得るかとの質問に同氏は、「仮に値下がりが続き、依然として在庫が存在すれば、当然抹消が必要になる」、「もしマーケットの動向を問われれば、分からないと答えるしかない」と語った。しかしブレッド・アンド・バターのサウンド・カード業務は依然利益を上げており、次世代の3Ｄグラフィクス・アクセラレーター・カード等のエキサイティングな新製品を続々発表することから、今後の見通しは依然楽観できると言う。しかし、アナリストは「次代の主力製品と宣伝してきた3Ｄグラフィクス・アクセラレーターが今や在庫抹消の対象とされており、同じことが繰り返されぬ保証はない」と指摘している。またＤＶＤは依然業界のスタンダードが確立しておらず、リスクが大きいと言う。(ST,BT,LZ:7/11)