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1995-02-27 ArtNo.677
◆ASEAN諸国金利上昇へ
【シンガポール】ASEAN諸国の金利は米国の高金利に触発され、シンガポールを除き今後急上昇する見通しだ。
国立シンガポール大学(NUS)計量統計研究ユニットが24日主催したセミナーで、UBS証券のプラセンジット・バス調査主任が語ったところによれば、これはASEAN諸国の通貨が米ドルにリンクしており、またメキシコ危機の煽りで外資逃避のリスクに晒されているためである。今年内にインドネシアとマレーシアの金利は2%ポイント、フィリピンとタイは1.75%ポイント、それぞれ上昇が見込まれる。しかしシンガポールのそれは0.75%ポイントにとどまりそうだ。 シンガポール以外のASEAN諸国はいずれも経常収支の赤字を抱え、資本流入によりこれを埋め合わせている。したがっていわゆる新興市場からの資本逃避が生じる中で、これらの諸国の通貨は傷つきやすくなっている。しかしASEAN諸国はラテンアメリカ諸国に比べインフレ率が低く、インフレと平価切り下げの悪循環は生じ難い。またアセアン諸国における資本の流入は主に投資需要に向けられており、国民の貯蓄率も高いと言った相違点が存在する。 900億米ドルの対外債務を抱えるインドネシアの通貨が最も傷つき易く見える。しかしインドネシアは外貨準備を有することから、メキシコに比べ耐久力が有る。この点では300億米ドルの対外準備を有するタイはなおさらで、一方、米国に比べ金利水準が低く、経常収支の大幅な赤字を抱えるマレーシアはホットマネー流入の不安を抱くことなく金利を引き上げることができる。対外債務の危機からやっと立ち直ったばかりのフィリピンのペソも不安が有るが、最近同国は資本の流入で潤い、輸出も上向いている。(BT:2/25)
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