SEAnews 1996-07-08 ArtNo.6735

【ペナン】マレーシアのシリコン・バリー、ペナンは電子産業の世界的な業況不振の影響を受けている。
業界観測筋によると、まだ影響はそれほど深刻ではないが、各社とも営業コストの切り詰め等、対応策を講じている。マレーシア製造業者連盟(FMM)北部地区のＯＫリー会長によると、消費用電子製品やコンピューター関連業界は世界的な市況の低迷を感じつつある。自由貿易地域ペナン企業協会のBram Cobijn会頭によると、スランプは年初から感じられたが、ここ2カ月状況は益々深刻化している。複数の企業は労働者の新規採用を停止、超勤労働の抑制、ウィークエンドの操業停止等の措置を採っている。しかしまだ依願退職を募るような動きは聞かれない。こうした状況は今年一杯続き、改善は当面望めない。しかし操業を停止するような事態はハイファイ／家庭用娯楽機器のGunding社が工場を閉鎖する以外、まだ見られない。今年初にはクアンタムが1360人を解雇したが、これはディスク・ドライブの製造業務を日本に移動したためである。ペナン州企業家／企業協力開発委員会のアブドル・ラティフ会長によると、ペナンの少なからぬブミプトラ企業がバヤン・ルパス自由貿易地区を拠点とする多国籍企業からの受注減を報告しているが、これは電子製品の過剰生産に伴うものと見られる。同氏はペナン開発公社にこうしたスランプの影響を調査するよう命じたと言う。(ST