1996-07-08 ArtNo.6729
◆<星>アズテック、当初の利益予想に反する損失の理由説明
【シンガポール】アズテク・システムズは5日シンガポール証取(SES)に対する7ページにわたる書簡を公表、今年上半期の大型損失計上に至った経緯を釈明した。
昨年度決算報告時(96/3/4)の利益予想と3250万Sドルの半期損失計上見通し発表(7/1)までの間にどのような変化が生じたのかとのSESの質問にアズテックが回答したところによれば、同社が1500万Sドル出資する米国マルチメディア製品量販会社リビールの財政困難はクリエイティブ・テクノロジーによる新資金の注入計画が破談になった後も他の米国上場企業に対する出資要請等が続けられていたため、期待が持てた。しかし取引銀行の撤退後、個々の債権者により5月に設けられた30日間の返済猶予期限も失効したことからアズテックは6月末になって初めて、リビールへの出資金を抹消する方針を決めたと言う。 またCD-ROMドライブの今年第1四半期の売上は昨年同期を30%下回ったものの、OEM(相手先商標製造業者)市場向けや新製品の投入により、下半期には業績の回復が期待できた。しかし第2四半期にも不振が持続し、営業損失を計上するに至ったと言う。
一部のアナリストは仮にリビールが清算に追い込まれなければ、アズテクの投資のかなりの部分が回収される可能性は依然として存在すると指摘している。(ST,BT,LZ:7/6)
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