SEAnews 1996-06-25 ArtNo.6565

【シンガポール】5月のインフレ率は昨年同月比1.2％、前月比0.5％の上昇率にとどまり依然低水準を維持した。
統計局が23日発表した5月の消費者物価指数(CPI)によれば、各項目指数は昨年同月(括弧内は前月)に比べ、食品2.2％(0.7%)、衣料0.9％(-0.4%)、住宅0.4％(0%)、運輸・通信－0.2％(1.5%)、教育2.8％(-0.2%)、医療保健2.6％(0.6%)、その他1.2％(0.3%)上昇している。
一方、ＪＰモルガンのイマージング・マーケッツ・データ・ウォッチ最新号によると、ＡＳＥＡＮ域内で最も開放的な経済政策を採用するシンガポールとマレーシアは、これまでのところ低インフレ率を維持しているものの、最近の国際市場における食品や他の一次産品の急騰により、輸入インフレの危機に晒されている。これら両国では穀物／米ベースの商品や石油がそれぞれＣＰＩの6％と14％のウエートを占めている。例えば輸入米穀の1％の値上がりはシンガポールの場合ＣＰＩを0.8％、マレーシアの場合は0.6％押し上げる。目下のところシンガポールはＳドル高に助けられ、こうしたインフレ圧力が軽減されているが、1995年の30％の米の値上がりは、値上がり以前に結ばれた輸入契約が使い尽くされるのに伴い、顕在化する見通しと言う。(BT,LZ:6/24)