1996-06-22 ArtNo.6536
◆<馬>マジュ、主要鉄鋼プレーヤーの夢実現も
【クアラルンプル】ブミプトラ実業家アブ・サヒド(45)、アブ・タリブ(47)兄弟に率いられるマジュ・ホールディングズSdn Bhdはマレーシア鉄鋼産業主流への切符を手に入れた。
アンワル副首相兼蔵相は20日、29億8000万Mドルの累積赤字と60億Mドル以上の負債を抱え、経営不能に陥った国営鉄鋼会社プルワジャ・トレンガヌSdn Bhdの救済をマジュとライオン・グループに委ねる政府決定を発表した。政府はこれら両社にプルワジャの救済を任せる方針をかなり以前に決定したが、計画の詳細を詰めるため、発表を控えてきた。同計画の下、マジュがプルワジャの51%、ライオンが30%の権益を引き受け、政府は19%の権益とゴールデン・シェア1株を保持する。しかし救済計画の詳細はなお協議中と言う。ライオン・グループは以上の政府発表に対して、正式通知を受領するまでコメントを控えるとしているが、マジュのアブ・タリブ重役(MD)は政府の決定に歓迎の意を表明した。
タクシー・ドライバーの家庭に育ったアブ・サヒド氏が19年前にガソリン・スタンドの経営から手を引きワンマン・オペレーションの部品会社を設立したのがマジュ・グループの始まりで、サヒド氏はクアラルンプルとスラゴール州の華人スペアー・パーツ・ディーラー協会の副会長を務め、華人業界と緊密な関係を築いた。その後屑鉄再生事業に進出したサヒド氏は、マラッカ州の鉄鋼会社マジュを買収した。現在同グループは建設、不動産開発、観光、製造業に事業を拡張、その資産は6億Mドルにのぼる。消息筋によれば、同グループが1年前にマハティール首相の膝元クダ州でプドゥ・レーク・リゾート事業を手掛けたのが、中央政府の目にとまったようだ。 なおライオン・グループがプルワジャ救済計画の脇役を務めることになった理由は、同グループは既に国内最大の鉄鋼グループの地位を築いており、プルワジャ救済を同社に委ねることは、市場独占につながる。このためライオンに救済計画を一任することは政府の鉄鋼政策にそぐわないと判断されたようだ。(MBT,ST,LZ:6/21)
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