SEAnews 1996-06-17 ArtNo.6453

【パリ】各国が異なる政策を採用していた時代が終わり、誰もがほぼ同じ方向を目指すようになった現在、シンガポールが特異性を発揮して一層の発展を遂げることは益々難しくなっている。最も容易な方法は(マレーシアと)再統一することで、マレーシアが全面的に論功行賞制度を採用するようになれば、シンガポールとマレーシアの関係は一層接近することになる。
リー・クアンユー上級相は先々週シンガポールにおける記者クラブの会合でマレーシアとシンガポールの再統一に言及注目を集めたが、14日には訪問先のパリで、改めて以上の考えを明らかにした。
それによると当初英国人の貿易・軍事の前線基地を務めたシンガポールは、大英帝国の東南アジア支配の心臓と化したが、その後歴史の悪戯から1965年にマレーシアから分離独立した。シンガポールが生存し得ると信じるものは当時皆無に等かったが、シンガポールは英語教育重視策等を通じて多国籍企業と緊密な関係を築き、輸入代替工業政策を採用するインドネシアやマレーシアを凌駕する経済発展を遂げた。しかし今では高速道路を走行するのはシンガポールだけでなく、大小の車両が先を争う状況が生じている。今ではマレーシアも英語教育を重視しおり、今後この方面の差は更に縮まるものと見られる。こうした中でシンガポーリアンはこれまで以上に努力せぬ限り、優勢を維持することは困難になっていると言う。(ST,LZ:6/15)