SEAnews 1996-06-12 ArtNo.6398

【シンガポール】中国市場における家電流通網の積極的な拡大策が奏功し96年3月末締め年度に税引き後55％の増益を達成したタクラル・コーポレーションは10日、10：1の特別配当株の発行を発表した。
タクラル・コーポレーションのグループ営業額は前年比11％増の11億8656万Ｓドル、営業利益は47％増の9354万Ｓドル、税引き前利益は52％増の7060万Ｓドル、税引き利益は55％増の5722万Ｓドル(特別項目損失S$220万未控除)を記録した。
タクラルは過去1年間に中国の75都市に流通拠点を構築、新たに販売サービス・センター15も増設、香港と中国を合わせたディーラーの総数は1350店に達している。こうした積極戦略が奏功し、ライバルの多くがシェアを縮小させる中で同グループは依然として営業利益の改善を実現した。タクラルはまた不動産、インフラ、ロジスティクス、その他の戦略部門への投資を手掛ける2500万米ドルの投資基金を設立した。同社はこれにより中国やシンガポールを含む域内の投資機会を探るとともに既存の非中核業務、例えばゲートウェイ・ディストリパーク、グルガオン・テクノロジー・パーク等の管理も当該投資基金運用チームの手に委ねる方針だ。同社は引き続き中国市場における流通網の拡大を図るとともに、ワイド・スクリーンＴＶ、ビデオＣＤプレーヤー、デジタル・カメラ等を含む各種家電製品の生産ラインを増設する計画だ。またデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)事業への進出も目指し、目下パナソニック、ソニー、東芝、パイオニア、フィリップス等との交渉を進めている。四川省成都における21インチ・カラーＴＶの製造能力は現在の年間20万台から98年には80万台に拡大される。一方、同グループは主にロシア及び英国におけるウェンズ・タクラルの業務停止に伴い220万Ｓドルの特別項目の損失を計上した。またＳＴ紙によれば、今月中にも経済開発局(EDB)により海外営業本部(OHQ)ステータスが認められる見通しと言う。(ST,BT,LZ:6/11)