1996-06-10 ArtNo.6369
◆<星>に二大政党制は不向き:リー上級相
【シンガポール】シンガポールには二大政党制が存続し得る文化的基礎は存在せず、またシンガポールが成功するにためには内閣の交替を容認することはできない。
シンガポール記者クラブと外人記者クラブが7日共催した午餐会で講演後、出席者の質問に答えたリー上級相は以上の考えを語った。同相によればこの種の制度が存続するには、対立する政党が政権を握っても泰然とこれを受け入れ、多数の意見に従う国民意識が存在せねばならないが、この種の文化は常に存在するものではない。またシンガポールの成功は多年にわたる学習/改善努力と経験により達成されたもので、政権が頻繁に交替すれば、こうしたことは望めない。リー氏はまた米国や欧州諸国がミャンマーに民主化攻勢の圧力を加えようとしている問題に触れ、「もし民主化後のミャンマーが四分五裂の状況に陥いらぬよう米国が保証措置を採ると言うなら、これを支持するが、米国にその能力はなく、現在ミャンマーの統一を維持できるのは軍事政権のみである」と指摘、「もし自分がスー・チー女史なら、むしろ民主の象徴として軟禁生活をおくることを望むだろう」と語った。リー氏はさらに台湾の李登輝総統の「アジア的価値観は民主と人権の基礎の上に初めて存続しうる」との説に触れ、「民主と人権が全てと言うなら、中国は有史以来父権思想の国で、自分には調停のしようがない」、「自分の使命はシンガポールの良好な統治を維持することで、これまでの政策が最善であったか否かについては、今までのところ全ての政策が成功したことを神に感謝するのみである」と語った。(ST,LZ:6/8,9)
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