1996-06-06 ArtNo.6325
◆<馬>プルワジャ/NSC、20年間の鉄鋼産業保護要求?
【クアラルンプル】ウィンティエック・ホールディングズBhdに率いられるコンソーシアムは、フィリピンのナショナル・スチール・コープ(NSC)と財政難に陥ったプルワジャ・トレンガヌSdn Bhdを合併し、マレーシアとフィリピンを跨ぐ大型鉄鋼会社を組織するとともに、これら両国政府に向こう20年間にわたる鉄鋼産業の保護を要求するもようだ。
消息筋によれば、同コンソーシアムはプルワジャ/NSCの38億Mドルにのぼる株式スワップとともに、プルワジャの50億Mドルにのぼる負債をゼロ・クーポン社債の発行と政府アドバンスの資本への転換を通じて解決する。これにより利子返済の重圧から解放されたプルワジャ/NSCは合併初年度に少なくとも2億5000万Mドル、5年後には10億Mドルの税引き前利益が見込める。コンソーシアムは更に7億米ドルを追加投資して高炉を含む新設備を増設する。ウィンティック・グループはプルワジャの77%、マレーシア政府は23%の権益を占める。プルワジャ/NSCはその後クアラルンプル証取(KLSE)に上場され、ウィンティエックはその持ち株を32%に縮小させるが、政府は20%の権益を維持する。
コンソーシアムはマレーシア/フィリピン両国政府に非プルワジャ/NSC製のフラット・スチール製品に保護関税を課し、同時に向こう20年間他社がマレーシアに総合的な鉄鋼プラントを設けることを認めぬよう要求する。これにより新会社の投資収益は保証されるが、この種の保護が存在しなければ、新会社もプルワジャ同様国内同業者との競争に勢力を消耗してしまうと言う。(MBT:6/5)
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