SEAnews 1996-06-05 ArtNo.6312

【シンガポール】マレーシアン・インターナショナル・シッピング・コーポレーション(MISC)は1995年度の収益率で世界の定期船会社のトップにランクされた。
米国の月間誌アメリカン・シッパーの報告によれば、営業利益の総収入に対する比率では、ＭＩＳＣは21.7％と、世界の海運会社トップ10の平均8％以上を大きく上回った。とは言えＭＩＳＣの昨年の営業額は前年比僅か3％増の24億7000万Ｍドル、税引き前利益はたった1％増の5億8500万Ｍドルにとどまった。ＭＩＳＣの低調な業績の一因としてコンテナ輸送業務の大型損失を上げることができる。一般的に見ても、コンテナ輸送専門会社の収益率は低く、ローロー方式、伝統方式、冷凍輸送、バラ積み方式等を併用する海運会社の収益率が比較的高めとなっている。ＭＩＳＣの場合は国営石油会社ペトロナスとの長期契約に基づくＬＮＧ(液化天然ガス)輸送ビジネスが収益アップに貢献した。
世界の主要海運会社31社の昨年の営業利益の総収入に対する比率の中央値は5.9％、純益の総収入に対する比率の中央値は3％、純益の総資産に対する比率の中央値は2.5％だったが、純益の総収入に対する比率が1％を下回るものがかなりの数にのぼり、またコンテナ輸送専門もしくはコンテナ輸送に大きく依存する海運会社13社の純益の総収入に対する比率は1.4％にとどまった。これに対して輸出業者のコンテナ輸送マージンは6.1％に達した。
高収益を実現した海運会社トップ5は、1)ＭＩＳＣ、2)Matson Navigation(USA)、3)Safmarione(南ｱ)、4)Evergreen Marine Corp(台湾)、5)Wilhelmsen Lines(ﾉﾙｳｪｲ)、低収益トップ5は、1)Nedlloyd Lines(蘭)、2)K Lines(日本)、3)Mitsui OSK(日本)、4)Flota Mercante Grancolombia(ｺﾛﾝﾋﾞｱ)、5)Compania Sud Americana de Vapores(ﾁﾘ)となっている。(BT:6/4)