1996-05-27 ArtNo.6199
◆<星>グラクソ・ウェルカム、新薬Epivir製造計画
【シンガポール】英国の薬品会社グラクソ・ウェルカムはシンガポールで新薬Epivirを製造する可能性を検討している。
地域業務視察のため先週シンガポールを訪れたグラクソ・ウェルカムのコリン・コーネス会長によると、シンガポール工場は潰瘍薬Zantacの製造拠点だが、特許権の失効で、厳しい競争に直面している。Zantacは同社売上の40%に貢献してきたが、今では市場シェアは24%に激減、来年は10%台に縮小する見通しだ。このためシンガポールにおける新薬の製造を検討しており、肝炎治療薬のEpivirはその1つ。やはりグラクソ・ウェルカムのAids治療薬Retrovirと併用しAids患者に投与することもできる同薬は既に米国で製造されているが、世界市場の開拓にはなお諸外国の認可を要する。シンガポールではこの他、偏頭痛薬Imigran、吐き気の化学治療薬Zofran、喘息治療薬Sereventの製造が手掛けられている。
グラクソ・ウェルカムのケン・ワインドル取締役(アジア太平洋地域担当)によると、同社は目下8000万Sドルを投じスプレー式鼻薬Flixonase及び喘息薬Flixotideをシンガポールで製造するパイロット・プロジェクトを手掛けているが、新薬の製造には技術移転に2~3年を要するため、仮にEpivirの製造を行うとすれば、他の新薬を手掛けるゆとりはなくなると言う。(BT:5/24)
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