1996-05-20 ArtNo.6114
◆<星>第1四半期の民間住宅入居率ダウン、年末に向け更に下降
【シンガポール】既に臨時入居許可を得た民間住宅戸数は今年第1四半期に1631戸(1.3%)増加し、市場の住宅戸数は13万737戸に達したが、同期に実際に入居が決まった住宅は143戸にとどまり、この結果、民間住宅の入居率は94.3%から93.3%に1%ポイント下降した。
都市再開発局(URA)が17日発表したところによれば、年内には更に6996戸の住宅が完工、通年の供給量は8854戸と、昨年の6542戸を35%ほど上回る。このため入居率は今年後半には更に下降する見通しだ。不動産コンサルタントは、入居率は年末にかけて約90%にダウン、賃貸料も現在のレベルから5%ほど下降すると予想した。証券アナリストは賃貸料の下降は、賃貸収入を当てにして住宅の購入を計画する者の需要を下降させるため、相乗効果を生じさせると予想する。しかし賃貸を目的に住宅を購入した者は借り手が無ければ、子供を住まわせる等、家族の居住に転用すること、また住宅開発業者も完工期日を遅らせることから、入居率がダイレクトに下降する訳ではない。しかし先の証券会社幹部によると、この種の住宅を購入した者は、所有し続ければ将来益々厳しい競争に直面、維持コストも嵩むが、手放せばまた不動産売却税やダブル印紙税を覚悟せねばならないジレンマに立たされていると指摘する。
アナリストらはオフィス/小売/工業/倉庫/ホテル不動産の稼働率も今後下降するものと見ている。しかしオフィス稼働率の下降は、マリーナ・センターにおける大量のオフィス・ビルの同時完工とその賃貸契約が結ばれるまでのタイム・ラグに伴うもので、特に警戒する必要はないと言う。(ST,BT,LZ:5/18)
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