1996-05-17 ArtNo.6079
◆<星>不動産株/コンド価格ダウン:政府包括措置奏功?
【シンガポール】シンガポール政府が不動産市場の包括的な投機抑制/市況冷却化措置を発表した翌日(5/15)、シンガポール証取(SES)の不動産株価指数(17銘柄)は690.61に40.24ポイント(5.5%)ダウン、SES金融株価指数は578.48に7.71ポイント下降した。ストレート・タイムズの分類広告欄に掲載された民間コンドミニアム価格も8~10%値下がり、政府の措置は奏功したようだ。
アナリストは民間不動産市場では、売り手も買い手も向こう数週間観望姿勢を採るものと予想している。観測筋によれば、不動産価格は短期的に値下がりするが、その幅は10~15%の範囲に収まり、市場崩壊が生じる恐れはない。一等地以外のコンドミニアムで、投機の対象とされたような物件が最大の影響を受けそうだ。しかし二次市場におけるHDB(住宅開発局)住宅の価格はほとんど影響を受けない見通しで、不動産市場全体の底を支えるものと見られる。また不動産市場はシンガポール経済の強いファンダメンタルや莫大な中央積立基金(CPF)のプール、さらには外国人バイヤーの根強い関心により支えられており、アナリストはこうした点からも急激な市況の崩壊が発生する可能性は少ないものと見ている。
市況は売り手と買い手が政府の措置にどのように反応するかにかかっているが、観測筋は、来週水曜に都市再開発局(URA)が募集するビシャン地下鉄駅及びラッフルズ高校に隣接した99年地権付き2区画の入札に市場のムードが反映されるものと注目している。(ST,BT:5/16)
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