1996-05-11 ArtNo.6011
◆<馬>与党傘下のKUB、K州政府とM$20億石化合弁
【クアラルンプル】与党UMNO(統一マレー国民組織)傘下の協同組合コプラシ・ウサハ・ブルサトゥBhd(KUB)は9日、アンワル副首相の立ち合いの下、野党イスラム党(PAS)が政権を握るクランタン州政府と総額20億Mドル以上にのぼる石化事業及び独立電力業者(IPP)プロジェクトに関わる合弁覚書を交換した。
KUBのハッサン・ハルン会長が調印式後語ったところによれば、同社は、クランタン州経済開発公社(SEDC)が同プロジェクトのために新設したKeloil Sdn Bhdと対等出資でコタバルから約10キロのパンタイ・スノ(Senok)に石油化学コンプレックスと発電所を建設する。クランタン州政府は5000haの土地を準備するが、その収用コストは1億2000万Mドルと見積もられる。第1期工事で建設される液化石油ガス(LPG)貯蔵施設は来年中に完工、PVC、ポリエチレン、ポリプロピレン等の製造施設も1999年までに完成する。原料の天然ガスと原油はクランタン沖のマレーシアとタイの共同開発鉱区から供給を受け、一部の電力は隣接するタイ南部地区に輸出される。合弁会社をインフラストラクチャー・プロジェクト・カンパニー(IPC)のステータスでクアラルンプル証取(KLSE)に上場させ、プロジェクト資金を調達すると言う。
KUBは1977年5月11日に催されたUMNO創設31周年記念式典の席上、当時の党総裁フセイン・オン前首相によりその成立が宣言されたUMNO直系の協同組合だが、80年代後半に生じた派閥抗争の際、反マハティール派の牙城となり、その後90年代初期までラザレイ・ハムザ氏に率いられるスガマ46の支持者が重役会を支配してきた。そのラザレイ氏もこの日(5/9)スガマ46の党員を率いUMNOに復帰する方針を明らかにした。(NST,STAR,ST,BD:5/10)
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